記号使用例

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記号の種類

 小説で見かける記号は、主に四つあります。
 語調を強調したり、疑問を表したりする時に使われる、「!(エクスクラメーションマーク)」と「?(クエスチョンマーク)」。これらはビックリマークやハテナマーク、日本語では「感嘆符」や「疑問符」と呼ばれていたりします。
 次に、文章の間を取るために使われる、「……(三点リーダー)」と「――(ダッシュ)」です。こちらの二つは、句読点や改行とはまた違ったリズムを作る時に使われるものです。
 ここでは、主に前者の二つと後者の二つで分けて説明して行きたいと思います。


!と?

 語調を変える時に使われる「!」や「?」といった記号は、主に文節や文末につけられるものです。なので、これらの記号の後に句読点を置くことはありません
 これは句読点の項目でもやりましたが、ここからさらに、「!と?の後は1マス開ける」というルールがあります。


《例》


×「行くよ!レナモン!」
○「行くよ! レナモン!」
×「行くよ! レナモン! 」


 例文の様に、文節につけられた記号の後は1マス開けなければなりません。しかし、「」の中で使う場合は最後の1マスを開けずに閉じて下さい。
 そして、記号の使い方は「人によって様々」です。
 「!!」と重ねて使う人もいれば、全角ではなく半角の「!」や「?」を使う人もいます。台詞だけに使う人もいれば、地の文(台詞以外の、説明文や状況を描写している文章、心理描写など)に使う人もいます。この二つの記号の使い方は、書き手であるあなたの好みしだいです。


……と――

 !と?のように簡単に行かないのが、「……(三点リーダー)」と「――(ダッシュ)」です。ちょっと癖があったり、書き手によって使い方のルールがバラバラだったりするこの記号ですが、まずは「一般的なルール」から。


@変換の仕方とルール

 以外と「出し方が分からない」という人が多い二つの記号ですが、皆さんはコピーするのではなく変換で出すことができるでしょうか? 人によって、使い方だけでなく変換の仕方も様々な二つの記号の変換の仕方について、少しだけ触れてみたいと思います。


【……】
 1.「てん」と打ちこんで変換する。
 2.「。。。」と打ちこんで変換する。
 3.「・・・」と打ちこんで変換する。


【――】
 1.「だっしゅ」とと打ちこんで変換する。
 2.キーボードに「ほ」と書かれているキーを押して変換する。
 3.「けいせん」と書いて変換する。
 4.「よこ」と入れて変換する。


 などなど。他にもあるかもしれませんが、それはご自分で探してみて下さい。
 そして基本的なルールですが、三点リーダーもダッシュも、2マス分使って表現することです。「―」や「…」など、1マス分の記号で表す人もいますが、一般的には「――」や「……」など、2マス分使う人が多いようです。


A「……」と「――」の違い

 文章中によく見る「……」と「――」。句読点が「リズムを刻む」ためにあるのだとすれば、この二つは「間を取る」ための記号です。


《例》


@「このままじゃだめだ。まずは作戦を立てないと」
A「このままじゃだめだ。……まずは作戦を立てないと」
B「このままじゃだめだ。――まずは作戦を立てないと」


 どうでしょう? 文章の間に「――」や「……」が入ることで印象が変ってきませんか?
 @の文章だと台詞が続いているため、始めから言うべき言葉を決めている風な印象を受けますが、「……」が入ると自分が言うべき言葉を考えているような、「――」が入ると言うべきことを選んでいるようなイメージがわかないでしょうか?
 筆者の用法としては、「……」は無口なキャラクターが、単純に「喋っていない時間」を現すのに使ったりもします。なので、続ける回数は2回に留まらず3回4回と重ねて使うことで、その時間の長さを調節してみたりしています。


《例》


「このままじゃ……だめだ。……まずは…作戦を………立てないと」


 など。
 他にも息苦しくて台詞が続けられない様子など、キャラクターが黙りがちな場合に使うと効果的です。
 対して、「――」は前の文章を引き継ぐような場合。「だから」や「なので」や「つまり」の代わりに使ったり、頭の中に作っているリズムがブツッと途切れて欲しくない時などに使われることが多いです。歌に例えるならば、二つの文章の間にブレスを入れないような、「喋っていない時間」というよりは、「含みを持たせる」イメージです。
 時間を現すというよりは、文章を読みやすく間を開けながら続けるという、どこか矛盾している「概念だけの時間」を表すような記号だと思います。なので、「……」は台詞だけで文章中にはあまり使われないのに対して、「――」は地の文にもよく登場するのを見かけます。


《例》


 シャウトモンは――まるで舞いでも踊っているような――華麗な動きで相手の攻撃を回避すると、一気に敵将へと肉薄した。


 このように、注釈のように情報を付け加える時に使われることもあります。「シャウトモンは華麗な動きで相手の攻撃をかわしていく。それはまるで踊っているかのようだ」という文章にしても意味は伝わるかもしれませんが、例文のようにした方が、読者はよりリアルタイムでイメージを掴みやすくなると思います。


まとめ

 記号は、句読点や改行よりも書き手個人が独自のルールを作って使われています。多用する人もいれば敬遠する人もいます。記号の使い方については特に、「明確なルールはない」と言ってもいいでしょう。
 だからといって、同じ作品内で使い方のルールがバラバラだと、読者は読みにくく感じます。
 本を読んだり、自分で書いてみたりして、自分だけの使い方、「自分だけのルール」を作っていって下さい。読みやすければ、使い方が独特でも大丈夫です。そうしてできた作品の雰囲気は「文体」といって、作者のサインのような「個性」を現すものになります。人と違うからダメ、というものではありません。
 「句読点」「改行」そして「記号の使い方」。これでルールブックに書くべきことはまとめられたと思います。しかし、ここに書いたものはすべて「基本中の基本」です。面白いストーリーの書き方以前の、「小説を書くには最低限必要なこと」なのを忘れずにいて下さい。

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